使琉球録

      1534年(明・嘉靖13年)、時に陳侃は吏科左給事中を務め、琉球の冊封正使に任命され、命令により琉球に遣わされた。陳侃の著作『使琉球録』には、「釣魚嶼を過ぎ、黄毛嶼を過ぎ、赤嶼を過ぎ、目に暇を接せず……古米山が見え、乃ち琉球に属する者なり。夷人は舟におきて鼓舞し、喜びて家に達す。」とある。この一文に記されているように、古米山(即ち久米島)に至って琉球領内に入国したことになる故、釣魚島は琉球に属さないことが明らかである。

使琉球録